2016年10月14日

大容量バッテリー Anker PowerHouse レビュー

屋外や電源のない場所でネット中継を行うには電源の確保が必要になります。

ウチの場合、普段はハイパワーな小型デスクトップPCで配信を行っていますが、電源のない現場ではノートPCで極力CPUパワーを消費しない様な設定にして配信を行います。

配信では結構CPUパワーを消費する為、ノートPCの内蔵バッテリーでは持っても1時間程度がいい所で、実用レベルとは言えません。

発電機は音はうるさいからダメですし、巷で多く売られているバッテリーは5Vや12Vのモバイルバッテリーばかりです。

当該ノートPC専用の外部バッテリーが売られていたりもしますが、それでもせいぜい内蔵バッテリーと同等かプラスアルファ程度のレベルのものばかりで、焼け石に水です。

そこで、AC100出力を装備しているバッテリーが欲しくなる訳ですが、サイズや値段面で実用的なものとなると選択肢はあまり多くありません。

検索すると、大体以下の商品が見つかります。

@.LOOKEAST Power-Pond Connect LE-CNT40K
http://amzn.to/2dRZrcH
A.サンワダイレクト AC出力対応 モバイルバッテリー 700-BTL025
http://amzn.to/2eyLa3b
B.マクセル ACコンセント付バッテリー MPC-CAC11400BK
http://amzn.to/2ea9jhs
C.suaoki ポータブル電源
http://amzn.to/2e6wdSD
D.Anker PowerHouse
http://amzn.to/2enXoMO

@のLE-CNT40Kは、以前買って持っていたのですが、5W以下の消費電力機器を接続すると勝手に電源供給が止まってしまうというハナクソ仕様だったので、ノートPC以外の用途には殆ど使えず、更にバッテリー残量表示が結構いい加減(20%を下回ったあたりから急激に減りが早くなる)だったり、その割にはノートPCの内蔵バッテリーとほぼ同じくらいしか持たないという何とも微妙な仕様だったので売ってしまいました。

AとBはおそらく中身は殆ど同じもので、出しているメーカが違うだけだと思います。
私はBを買って持っていましたが、これがなかなかのくせ者で。

私が持っているノートPC用のACアダプタが65Wで、このバッテリーの供給能力も同じく65Wという事で、足りるであろうと思ったのですが、このバッテリーの65Wとはあくまで最大出力が65Wという意味であり、バッテリー残量が減ってくると供給電力が65Wを下回るというものでした。

殆どのノートPCでは、ACアダプタ接続時に供給して欲しい電力が得られないと、自動的にCPUクロックが最低レベルまで落ちる様になっている為、CPU負荷が100%を越えてしまい、配信処理が追いつかずドロップフレームや極端な遅延や映像と音のズレが発生したりと、酷い状況になります。

結局、まともに65Wを供給し続けられるのは全体の半分位の容量時間しかなく、尚且つ途中から配信が酷い状態に陥るというシロモノだったので、そんなものは危なっかしくて使っていられないという事で倉庫に放置状態になっています。

Cのsuaokiのやつは使った事はありませんが、入手性は良いので急いで欲しい時には良いと思います。
ただ、容量は220Whなので「ん〜惜しい、もうひと越え!」といった仕様です。

DのAnker PowerHouseが本命な訳ですが、入手性は悪く、Amazonはアホみたいなプレミア価格になってます。
私は品切れの時にヨドバシ通販で注文したら納品まで6ヶ月かかるという返事がきたものの、結局3ヶ月で納品されました。

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容量は434Wh
あるのでCのsuaokiのやつと比較しても2倍くらいはもってくれそうです。

供給可能電力は合計160W迄で、それを越えると自動的に電源供給を止める安全装置がついています。

商品パッケージには、「110V 1.09A」(約120W)と記載されていますが、これはAC100以外にUSB-5Vも使った場合の容量という事で、AC100しか使わないのであれば、150W位までは安定して供給されるものと思われます。

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それでは早速、実際どれ位持つのかを試してみました。

ノートPCにAVT-C875を接続して、XSplitを使用してYouTube Liveで360p配信を行い、ブラウザでプレビュー表示とアナリティクス表示も行います。
あとついでにもう少し負荷をかけたかったので、メディアプレイヤーで720pのmp4動画を1/4サイズで同時再生します。

これで配信時のCPU負荷は大体45〜65%位になり、瞬間的に負荷が上がっても80%以下には収まります。
もちろんCPU動作クロックは最大状態が維持され続け、ノートPCの内蔵ファンも回りっぱなしになります。

まずはノートPCの内蔵バッテリーを外して、純粋にPowerAnkerだけで、どれ位動作するのか検証します。
この状態だと消費電力は大体50W程度です。(内蔵バッテリーに充電しながらだと62W程度。アイドル時で21W程度)

【結果】397分(6時間37分)もちました。

残容量が75%になるまでで110分もっていたので、0%までだと440分持つ計算にはなりますが、実際にはそれよりも43分早く0%になりました。

ただ、残容量はあくまで目安ですし、この程度であれば個人的には思っていたよりもずれが少ないなという印象です。

@のLE-CNT40Kでは20%を下回ったあたりから10倍くらい早く容量が減っていったので、それに比べたら全然マトモです。

そして、AやBのバッテリーの時に発生していた、残容量低下時の供給電力不足現象ですが、そういった事は発生しませんでした。
0%になって電源供給がストップするまで、安定してノートPCが必要な電力(最大65W)を供給してくれています。

次にノートPCの内蔵バッテリーを接続した状態でも試してみました。

気になるポイントとしては、PowerHouseの電力供給が止まった時に、問題無く内蔵バッテリーに切り替わるかという所です。

切り替わった際に一瞬だけ(1秒位)CPUクロックが最低レベルまで下がり、その後すぐに最高レベルまで上がりました。
ただ、これは普通に壁コンセントのAC100に接続している時でもコンセントを抜けば同じ現象が発生しますので、PowerHouseのせいではありませんし、発生したとしても1秒程度なので配信処理に支障はありません。

因みにAやBのバッテリーだと、電源供給容量が不足するかどうかぎりぎりのあたりで、内蔵バッテリーとACアダプタ電源との切り替わりが頻繁に発生し、同時にCPUクロックの低下も頻繁に発生して、それはもう酷い状態になります。

という訳で殆ど完全無欠なPowerHouse
供給波形も正弦波(正弦波じゃないと正常動作しない電気製品が結構あります)ですし、無理矢理欠点を挙げるとしたら入手性が困難な所くらいです。

PowerHouseだけでも配信が6時間37分持つのであれば、内蔵バッテリーでの時間も合わせれば7時間はいけるでしょう。
(但し、PowerHouseはバッテリーが切れた時に「ピーーーッ」というブザー音が2秒位鳴ってしまう(消音設定は無し)ので、本番中にその音が鳴ると周りに迷惑がかかるかもしれません。内蔵バッテリーはあくまでリザーブタンク位に思っていた方が良いでしょう)

例えば、リハーサル2時間、本番3時間程度の現場なら余裕を持って対応出来ます。

合計で6時間を越える現場だと、使用状況によっては危ないかもしれません。

巷では「こんなバカデカイ容量のバッテリー誰が使うんだ!」と批判されている事もある様ですが、私の様な用途だとこれ位の容量がないと実用的ではないです。

あと、PowerHouseは使う時に使用するコネクタの上に装備されているボタンを押す必要があります。

a3.png

これによって、インバーター回路などへの電源消費を抑えているのでしょうが、このボタンは特に何もロック機構がなく、押すのに力が要るボタンという訳でもなく、長押しで反応とかでもないので、運搬時にうっかりスイッチが入ってしまう可能性があります。

実際、何も接続していない状態でAC100用の電源供給スイッチが入ってしまった場合、残量がどうなるのかも検証しました。

【結果】24時間経過後で70%になりました。

a4.png

例えば、本番前日に機材を車載した際や運搬中にうっかりスイッチが入ったままになってしまい、現場に行ったら70%位しか残量がなくて「ドヒャー!!」という事があるかもしれませんので、多少の覚悟と余裕は持っておいた方が良いと思います。

あと、PowerHouseはUPS(無停電装置)としても一応使用出来ます。

ACアダプタでPowerHouseを充電しながら、AC100出力を使用する事が出来、ACアダプタを抜いてもAC100出力は途切れたりする事無く供給され続けます。

ただ、一般に売られているUPSは、AC100入力がある時は、入力段でバッテリー側とAC100出力に分けて流す様になっているのに対して、PowerHouseの場合はあくまでバッテリーを通してのAC100出力になる為、充電速度が間に合わない位の消費電力機器を接続(50W程度でも追いつきません。40Wなら追いつくかも)していると、バッテリー残量がゼロになって、AC100出力が停止しますので、そこは注意が必要です。

また、UPSとして売られている訳ではない為、常用した時の耐久性も未知数なので、あまりUPSとして使うのは私的にはお勧めはしません。

という訳で、UPSとして使うには多少難アリですが、普通に大容量外部バッテリーとして使うのであれば「Anker PowerHouse」は、とってもお勧めです!!

納品は遅いので迷ったら注文しちゃいましょう(笑)

【Anker PowerHouse 434Wh/120600mAh ポータブル電源】
http://bit.ly/2emT6oU

【追記】
ブログ本文に、パッケージの供給電力表示が AC110 1.29Aではなく、1.09AになっているのはUSBポートなどを同時使用した場合だとか書きましたが、そうではなく、量産版では色々とスペックが変わっている様です。

・容量:120,600mAh→120,000mAh(434Wh→400Wh)
・重量:4.3kg→4.2kg
・充電入力:7.5A→8A
・AC110Vの供給可能アンペア数:1.29A→1.09A
・シャットダウン判定電力:160W→200W
・シャットダウン時の停止ポート:ACポート→DCポート
・充電しながらの出力:出来ない→出来る
・表示:残り時間(H)→残りパーセント(%)

さりげなく若干スペックダウンしている様な気がしなくもないですが、計算方法や計測方法の違いや、量産時に発生する誤差が収まる様に余裕を持たせたスペック値の変更だけな箇所もある様な気がします。
ただ、充電しながらの出力が出来る様になっているなど、実際に改良されている所もある様なので気にしない事にします。
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2016年10月12日

LENKENG LKV383 HDbitT HDMIエクステンダー レビュー

LENKENGのHDMI延長器「LKV383」を買ったのでレビューします。

(ウチに届いたのは筐体の文字印刷が中国語のものでした)
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私が買った時の値段は日本円で8,077円で、AliExpressで注文して届くまでに30日かかりました。
普段なら10日位で届くのですが、どうやら税関あたりで配送ミスがあって一旦発送元に戻ってしまっていた様です。

今は日本のAmazonでも買える様になってますね。

【HDMI延長器 エクステンダーHDbitT LKV383】
http://amzn.to/2ejirA2

LKV383はHDbitT規格を採用したHDMIエクステンダーで、カテゴリ5e以上のケーブルを使って、フルHD信号を最長120mまで延長出来るというものです。

中距離延長器としては、LKV375等のHDbaseT規格のエクステンダーがメジャーですが、LENKINGがHDBaseT規格を真似て更に強化させたものをHDbitT規格として提唱している様です。

ぶっちゃけHDBaseTの真似っこな気がしますが、HDBaseTの延長器よりも安価で長く延長出来る様なので、それが本当ならウェルカム!という事で今回買って検証してみました。

実際、HDBaseTのLKV375(最長保証延長距離60m)が10,287円なのに対してHDbitTのLKV383(最長保証延長距離120m)が7,726円なので、2,561円も安いです。

HDBaseTのLKV375を買った時のレビューはコチラです。
http://dtmz.seesaa.net/article/428121981.html

因みにHDBaseTの延長器でもRoland等のマトモなメーカから出ているものは100mまで延長する事が出来ますが値段が10倍位高い(1セットで9万円位)です。

HDBaseTにしろHDbitTにしろ、使用するケーブルはカテゴリ5e以上のものである必要がありますが、更に外皮と中の線の間が金属皮膜で覆われていて、コネクタ部も金属素材で覆われている高シールド品(STP/FTP)である必要があります。
カテゴリ7であれば、この高シールドタイプのものが多いので、問題無い事が多いですが、カテゴリ5e,6だとそういった仕様のケーブルはそれほど多くは売られていません。

比較的入手が容易なものとして、カテゴリ5eであればLD-CTS/RSシリーズ、カテゴリ7であればLD-TWSTシリーズをお勧めしますが、前者は50m品があってもケーブルが固く取り回しが悪いです。後者は20m品までしかありませんがケーブルがそこそこ柔らかく取り回しが良いです。

【CAT5e STP(シールド加工) RoHS指令準拠 50m】
http://amzn.to/2d94CDt

【LANケーブル CAT7対応 LD-TWST/BM200 20m】
http://amzn.to/2dy3C83

私はコネクタ部が金属製でシールドも延長出来る中継コネクタ(JJ)を使って、LD-TWSTシリーズを現場の長さに応じて延長して使用しています。
LD-TWSTシリーズは撚線仕様で表皮効果が懸念されてしまう為、20m品迄しか無いのだと思いますが、カテゴリ7のケーブルでの伝送可能帯域(600MHz)よりも、HDBaseT/HDbitTの伝送帯域(250MHz)の方が遅いので、表皮効果の度合いが低く、現状ではJJで延長しても問題無く動作しています。
LKV375(HDBaseT)にて、20m[JJ]20m[JJ]20m[JJ]15mの合計75mでも大丈夫。80mになるとNG。でも一応少し余裕を見て合計70m以下で使ってます)

【RJ45 LANケーブル用中継コネクタ】
http://amzn.to/2dLz2uK

また、床がアース対策が不十分な絨毯であったり、多くの電線を通すなどで外部からのノイズ等が発生しやすい現場では、カテゴリ6以下だと外部ノイズに対するシールドが施されていないケーブルが多い為、寸断がよく発生します。
高シールド品(STP/FTP)であっても非シールド品ほどではないですが寸断は発生します。

カテゴリ7で2重シールド構造(ScTP)のものは、外部からのノイズを防げる様になっているので、寸断は滅多に発生しません。

あと、如何にシールドされていようとも、接続前はケーブルそのものが帯電する事に変わりは無く、接続した瞬間に機器側に静電気が流れる為、接続が一通り完了するまでは各機器の電源は入れない方が良いです。

前置きが長くなりましたが、それではLKV383を使って延長可能距離チェックです。

1920x1080p 60Hz のノートPC映像(フルHD:3G)を伝送してチェックしました。

結果としては、140mまではOKでしたが150mになるとダメでした。
カタログスペックでは最長120mですから充分な性能です。

ですが・・・ですが・・・やはりありました。罠が。

画質が大分下がります!!!

【比較画像(1080p 等倍)】

・元画像
l1_moto.png

・LKV375(HDBaseT)での画像
l2_hdbaset.png

・LKV383(HDbitT)での画像
l3_hdbitt.png

分かりやすい様に2倍に拡大したものものせておきます

【比較画像(1080p 2倍)】

・元画像
l4_moto.png

・LKV375(HDBaseT)での画像
l5_hdbaset.png

・LKV383(HDbitT)での画像
l6_hdbitt.png

おそらく、HDbitTでは圧縮率を高めて伝送データ量を減らし、伝送帯域も下げる事によって伝送距離を伸ばしているのでしょう。

商品Webページには「120 Meters Lossless Transmit」などと書いてありますが、ウソっぱちです。

画質劣化以外に気になったポイントとしては、LKV383(HDbitT)ではLANケーブルが抜けても5秒位はそれまでの映像を表示します。
LKV375(HDBaseT)ではLANケーブルが抜けると即座に何も表示されません。

これにより、パワポ等の静止画像が多い資料を用いたプレゼンで、数秒程度の寸断であれば、LKV383(HDbitT)の方がありがたい挙動をしてくれていると言えます。

それと、何も接続されてない時や、5秒位を越えて寸断したりすると、お節介にも以下の様なOSDが表示されます。

l7_notconnect.png

l8_wait.png

l9_connect.png

寸断が数秒発生して一旦OSDが表示されると、再度伝送される様になっても5秒位OSD表示が消えません。

このOSDを表示されない様にする事は出来ませんので、現場では問題になるケースがあるかもしれません。

でも、LANケーブルを抜き差しした時に映像が表示されるまでの時間が、LKV383(HDbitT)の方が早いです。

・LKV375(HDBaseT):約5秒
・LKV383(HDbitT):約1秒


何れにせよ、著しい画質劣化見た目にはDSub[VGA]の延長器よりも劣化していると思います)というデメリットがあるので、業務用途として実用には耐えません。

但し、解像度を720pまで下げれば何とか許せるレベルの劣化には収まるので、720pで使用するのならアリかなぁと思ったのですが・・・

【比較画像(720p 等倍)】

・元画像
l10_moto.png

・LKV375(HDBaseT)での画像

l11_hdbaset.png

・LKV383(HDbitT)での画像
l12_hdbitt.png

LKV383(HDbitT)で720pだと何故か映像が暗くなります・・・。

ところで、ノートPCでは設定解像度に関わらず、接続先モニタの推奨解像度に合う様にHDMI信号が出力されるというお節介なものが結構あります。
つまり、720pの解像度で表示される様に設定しても、接続先のモニタの推奨解像度が1080pであれば、実際にHDMI出力される信号は、1080pにスケーリングされた720pの映像になります。

LKV383(HDbitT)では、この仕様が引き継がれて映像が伝送されます。
(720pに設定しても1080pにスケーリングされた720pの映像がノートPCのHDMI端子から出力されて伝送)

LKV375(HDBaseT)では引き継がれないで映像が伝送されます。
(720pに設定したら720pの映像がノートPCのHDMI端子から出力されて伝送)

実際に私が現場で運用する時は、必ず間にスケーラーを通して固定解像度にしているので、どちらでも良いのですが、どちらかと言えば、引き継がれないLKV375(HDBaseT)の方が意図しない解像度になる可能性を減らせるのでありがたいです。

という訳で、今回レビューした「LKV383(HDbitT)」は、多少画質がぼやけ&暗くなったとしても、720p以下の映像を、60mよりも長く、低コストで延長したい時にはまぁまぁ使える。

という結論になるのでした。
(ぶっちゃけ60m以上伸ばしたい場合でも私は使いませんです)

ま、割と人柱アイテムでしたね!(笑)
ではまた次回!
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2016年10月11日

RATOC System HDMIセレクターREX-HDSW41レビュー

ラトックシステムのHDMI切替え機「REX-HDSW41」を買ったのでレビューします。

【高速切替4入力1出力HDMIセレクター REX-HDSW41】
http://amzn.to/2eqNYiW

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付属のACアダプタは「5V 1A ケーブル長1.5m」のものですが、DCプラグは外形5.5mm/内径2.1mmという一般的な仕様なので、他のACアダプタも利用しやすいです。
【ACアダプタ 小型高信頼性5V2A】
http://amzn.to/2dIA5vs

REX-HDSW41は1つのHDMIデバイスとして動作します。
(PC映像を接続するとPC上では「SII MLBN RPT」と表示されます)

MHL対応はポート1だけですが、ポート2〜4であっても映像は問題無く伝送表示されます。
MHLでは接続先デバイスの操作情報も伝送される仕様(例えばテレビのリモコンでスマホが操作出来る)になっているので、それに対応しているのがポート1だけという事なのでしょう。

因みにMHL検証で使用しているスマートフォンはXperia Z3で、ACアダプタはダイソーで100円で売っている「5V 1A」のもので、ケーブル類は以下のものです。

【MHL変換ケーブル 2m ブラック MPA-MHLHD20BK】
http://amzn.to/2dbIgwm

【usbケーブル micro 急速充電 データ転送】
http://amzn.to/2e0zaEn

余談ですが、Androidスマートフォンの映像をHDMI出力させる場合は、そのスマートフォンがMHLという規格に対応している必要があります。
MHLに対応していないスマートフォンは、別途HDMI接続ポートが装備されている様な特殊なものを除いて、HDMI出力する事は出来ません。

そこそこメジャーなスマートフォンやタブレットでもMHLに対応していない機種(NEXUS 7等はMHL非対応ですが代わりにSlimportという規格でHDMI出力が出来ます。MHLと接続ケーブル形状は同じですが違うものです)は結構あるので注意が必要です。

スマートフォンのゲームアプリ映像を生放送で紹介する様な場合には、予め使用するスマートフォンがMHLに対応しているかどうかをチェックする必要があります。

また、MHL(micro USB)→HDMIケーブルにも機種によって動作しないものがある様なので、持っているケーブルで正常にHDMI出力が行えるかどうかを事前にチェックしておいた方が良いです。
それと延長器によっては、MHLで出力されたHDMI信号を延長出来ない場合があります。

具体的には、独自規格の延長器だとダメな事が多く(HAM-HIEX4ではダメな機種がありました)、HDBaseT規格の延長器(LKV375等)だと大丈夫な事が多いです。

「Androidスマートフォンって面倒なんだな〜」と思うかもしれませんが、iPad/iPhoneのApple純正HDMI出力アダプタにもコッソリとバージョン違いが存在しているという複雑怪奇っぷりなので、いずれにせよ正常伝送出来るかどうかの事前チェックは欠かせません。

さて、このREX-HDSW41が普通の切替え機と特に大きく違う所は、InstaPortSに対応していて、高速切替えが可能な所です。

知っての通り、一般に市販されているパッシブタイプの安価なHDMI切替器は、切り替えてもネゴシエーションに時間がかかり、実際に映像が映るまでに大体4秒位のウェイト(黒画面)が発生します。

InstaPortについての詳しい説明は割愛しますが、ザックリ説明すると各入力ポート別にネゴシエーションの維持を行うというものです。
似たような技術に「FAST VIEW」や「HDCPサーバー」といったものもあります。
これにより、切替え時のネゴシエーションにかかっている時間を短縮出来て、高速切替えが可能になる。というものです。

因みに、InstaPortとInstaPort Sとの違いは、当該高速化処理をソフトウェアでやっているかハードウェアでやっているかの違いで、InstaPort Sの方がハードウェアで処理しているぶん更に早い切替えが可能という事になっています。

さて、このInstaPortですが、基本的には出力側に接続するモニタデバイス側がInstaPortに対応していないと、高速切り替えの恩恵には預かれないとされています。

しかしながら、今回レビューするREX-HDSW41に関しては、商品Webページにも取説にもそういった事は記載されていません。

それで実際の所どうなのかと言うと、ウチにあるInstaPort非対応のモニタ(DELL U2711とOn-Lap 1303HとREGZA 37Z3500)で試してみた限りでは、2秒程度で切替え動作が行われました。
解像度が同じ切替えでも違う切替えでも同じく2秒程度で切り替わります。
解像度が違う時は若干(0.3秒位)長いですが、それはモニタ側で発生しているラグだと思います)

比較対象として、InstaPortを採用していないHDMI切替え機「サンワサプライ SW-HD31ML」での切り替え動作には2.5〜4秒位かかるので、確かに最大で2秒位早くなっている事になります。

【サンワサプライ HDMI切替器 SW-HD31ML】
http://amzn.to/2dICxSi

どうやら出力モニタ側がInstaPortに対応していると1秒程度で切替え処理が行われるらしいのですが、InstaPortに対応しているモニタデバイスは、ほんの一部しかないので、明らかにInstaPort対応と明示してあるもの以外は、基本的に切替えには2秒位かかると思っていた方が良いと思います。

尚、接続するHDMIケーブル長での安定伝送性については、間にリピータを挟めば問題無く20mまで1080p信号を安定伝送出来ました。

【HORIC HDMIリピーター HDMI-E40M】
http://amzn.to/2dR02qV

リピータを挟まない場合は入力、出力共に10mを越えると不安定になりますが、それは普通の事なので気にしません。

それと、この切替え機は本体で操作する場合には、1ボタンでの順次切り替えのみになるのですが、信号が来ていないポートには切り替わらない様になっています。
つまり、ポート1と2だけに接続されている時の本体ボタン押しの切り替わり挙動は、ポート1→ポート2→ポート1 といった動作になります。

そして、信号が来ていないポートには切り替わらないので、接続されているポートの信号が途切れたりすると、他の「信号が来ているポート」に勝手に切り替わる様になっています。
この仕様が現場で問題になるケースはあるかもしれません。

相性問題をチェックする為に、延長器やスケーラやスマートフォンやBlu-rayプレイヤー等、色々なデバイスを使って切替え動作をチェックしてみましたが、特に問題はありませんでした。
相性問題に関しては、なかなか優秀だと思います。

ポイントとしては、普通は4秒位かかる切り替え動作を2秒位にするのに

2倍近いコスト(と言っても+3000円程度ですが)
・本体の操作ボタンは1つだけ
・信号が来なくなると他のポートに勝手に切り替わる

といった仕様を許せるかどうかという所だと思います。

実際の現場では、間に延長器やらスケーラーやらを接続する事もあり、その場合、切替えには10秒位かかったりするのですが、このデバイスで2秒短くなったとしても、8秒程度にしかならないので、そういう現場ではそんなに大きなメリットにはならない様な気がしますし、そもそも素早い切替えが必要な現場なのであれば、アクティブスイッチャーを使うべきな訳なので、REX-HDSW41を使うメリットは薄い様な気がしなくもないです。

ただ、アクティブスイッチャーを使うと当然コスト高になりますので「切替え時間を少しでも短くしたい&コストを抑えたい」という現場には良いかもしれません。

という訳で「特にお勧め!」という訳ではありませんが「普通にお勧め」です。REX-HDSW41。

【高速切替4入力1出力HDMIセレクター REX-HDSW41】
http://amzn.to/2eqNYiW
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