2018年10月28日

アイ・オー・データ GV-HUVC 使用レビュー

※2018.12.13にU-TAP HDMIの場合も追記しました。
この記事の下部をご参照ください)

今回はアイ・オー・データの「GV-HUVC」のレビューをします。

【I-O DATA USB HDMI キャプチャーGV-HUVC】
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io本体.png

これは、HDMI信号をUSB接続でキャプチャ出来るシンプルなデバイスです。
Windows7〜10に実装されているUVC(USB Video Class)という仕組みで動作するので、別途ドライバは必要ありません。
但し、動作保証されているWindowsは全て64bit版のみとなっています。

ウチの場合、普段はデスクトップPCで配信を行い、それをノートPCで監視するという事をしているのですが、万が一現場で配信用のデスクトップPCが故障した場合は、監視用のノートPCで配信をする事になります。
また、屋外や移動しながらの中継を行う場合もノートPCを使用して配信を行います。
ノートPCではPCI-Expressのキャプチャボードは使えませんので、必然的にUSB仕様のキャプチャデバイスを使わなければなりません。

これまで、USBでHDMIキャプチャを行う場合は、AverMedia製品を使う事が多かったのですが、AverMedia製品はHDMI信号との相性問題が発生する事が多く、専用ツールのRECentralも挙動が不安定だったり、不定間隔で音と映像がズレたりする事も多い為、不安がありました。

USB3.0接続仕様のキャプチャデバイスも結構世の中に出ていますが、大半が専用ドライバの動作が不安定なので、業務現場で使うには問題があります。

UVCで動作するデバイスであれば、Webカメラなどと同じ仕組みで動作するので、極めて安定した動作が期待出来ます。
ただ、UVCであってもGV-HUVCはソフトウェアエンコードなので、遅いノートPC等では使えないかもしれません。

公式的には、Core i7-4810MQ以上早いCPUで、GPUエンコード必須となっています。
因みに私が使っているノートPCは、Core i7 7500でGPUがGeForce940MXですが、配信エンコードも録画エンコードもCPUエンコード:x264)で同時に問題なく安定動作しています。
(※720pでやっています。1080pだとGPUエンコードにしないと処理が間に合いません。GPUエンコードは画質がちょっと悪いので、どうしても1080pで配信・録画しなければならない時以外は、720pにしてCPUエンコードで行っています。因みに配信・録画は720pでやっていますが、取り込み認識は1080pでやっています)

UVCなら普通に接続して動作するのはアタリマエの事なので、今回は他社の同等デバイスとして、同じくUVCで動作するAJAの「U-TAP SDI」との比較をしてみます。

【AJA U-TAP SDI USB3.0 キャプチャデバイス】
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本来なら、U-TAP HDMIと比較すべきなのだとは思いますが、所有していないので、今回はU-TAP SDIと比較します。

【AJA U-TAP HDMI USB3.0 キャプチャデバイス】
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入力端子仕様が違うだけの事なので、比較対象としては特に問題は無いかと思います。

まずは入力端子に何も接続していない時のキャプチャ映像です。

【U-TAP SDI】
aja_ns.png

【GV-HUVC】
io_ns.png

U-TAP SDIの方はカラーパターンが表示され、GV-HUVCの方はブルーバックで左上に入出力信号の情報が表示されます。
この表示仕様を変更する事は出来ません。
業務に使う事を考えると、何も接続されていない時は、ブラック画面になって欲しいので、この仕様はあまり嬉しくありません。
また、GV-HUVCの方は映像が接続されると3秒位、左上に入出力信号の情報が表示されるので、この仕様もあまり嬉しくありません。
放送中に接続するHDMIデバイスを変える様な場合は、都度このOSD表示が発生してしまうので困ります。

そして設定プロパティの「画像の調整」タブです。

【U-TAP SDI】
aja_cntl1.png

【GV-HUVC】
io_cntl1.png

U-TAP SDIだと1024段階で設定出来ますが、GV-HUVCは256段階になっています。
まぁ256段階でも特に困る事は無いでしょう。

設定プロパティの「出力サイズ」は以下の様に選べる様になっています。

【U-TAP SDI】
aja_cntl2.png

【GV-HUVC】
io_cntl2.png

これに関しては、GV-HUVCの方が選択出来る設定が多めですが、実際の所、640x360,640x480,1280x720,1920x1080があれば十分なので、これについてもどちらを使っても問題は無いでしょう。
但し、GV-HUVCの方はデフォルトが640x480なので、使うツールによっては一旦1920x1080に設定を変更する必要があるかもしれません。

そして最も重要な画質比較です。
デスクトップPCのグラフィックボードのHDMI出力信号を接続しています。
U-TAP SDIの方は、SDIに変換する必要があるのでVPC-MX1を挟んでいます)

【U-TAP SDI】
u-tap_sdi.png

【GV-HUVC】
gv.png

U-TAP SDIの方は大分綺麗ですが、GV-HUVCの方は大分赤いにじみノイズが発生しています。

GV-HUVCの方は赤いにじみ症状だけでなく、細い線だと表示されない事もあります。

例えば、デスクトップにあるTMPGEncのアイコンは以下の様なキャプチャ品質になっていました。

【U-TAP SDI】
aja_icon.png

【GV-HUVC】
io_icon.png

とは言え、私的にはGV-HUVCでも予備やレアケース用に持ち込んでおくデバイスとしてなら、許容範囲内かなと思います。
この程度の劣化なら、スケーラーやスイッチャー等でも発生する事はありますし。

それと、GV-HUVCは仕様的にはYUV422信号(YUY2)のみ対応となっていますが、YUV444信号でもRGB444信号でもキャプチャ出来ます。
ノートPCやPCのグラフィックカードのHDMI出力はデフォルトだと殆どがRGB信号で出力されるので、RGB信号に非対応だとかなりアウトです)

このGV-HUVCの方が画質が悪いという問題ですが、GV-HUVCの手前にスケーラー(ex:VPC-MX1)挟むと何故か解消します。

今回のレビューでは、直結した場合でも間にスケーラーを挟んだ場合でも、GV-HUVCに入力している信号はRGB444にしているのにこの違いが発生するという事は、おそらくRGB444とYUV444とYUV422の認識処理に問題があって、GV-HUVC側が余計なリサンプル処理をしてしまっているのだと思います。

尚、レビューするにあたって今回色々と試してみましたが、どちらのデバイスも使用中に止まったり怪しい挙動に陥ったりする事は一度もありませんでした。
また、映像と音がずれる事もありません。

という訳で、ノートPCで配信を行いたいのであれば、GV-HUVCはお勧めなデバイスだと思います。
サイズも小さいので、移動中継の際にノートPCの液晶の裏にテープで固定して使うと便利ですね。

【I-O DATA USB HDMI キャプチャーGV-HUVC】
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移動中継しないのであれば、値段は高いですが間に何も挟まなくても画質トラブルが無いU-TAP HDMIやU-TAP SDIの方が良いと思います。

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【AJA U-TAP SDI USB3.0 キャプチャデバイス】
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因みに、AJA U-TAPは米Amazonだと5,000円位安く買えます(3.9万円位)ので、少しでも安く買いたい人は、米Amazonで買うのが良いかと思います。
もちろんその場合は日本代理店のサポートは受けらませんので、5,000円程度の違いなら私は日本代理店のものを買いますが。
U-TAPは3年保証ですが、GV-HUVCは1年保証です)

ではまた次回!

【2018.12.13追記】
U-TAP HDMIも入手したので、その比較サンプルも追加しておきます。
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動作挙動は、殆どU-TAP SDIと同じです。

・入力端子に何も接続していない時のキャプチャ映像
U-TAP SDIと同じくカラーバーが表示されます。色味の違いなども殆ど感じられません。
u-tap_hdmi_1.png

・設定プロパティの「画像の調整」タブ
調整可能なパラメータも調整可能段階数も、U-TAP SDIと同一です。
u-tap_hdmi_2.png

・設定プロパティの「出力サイズ」
選択可能な解像度も、U-TAP SDIと同一です。
u-tap_hdmi_3.png

・画像サンプル
U-TAP SDIよりも若干輝度が落ちて、ややぼやけが増している様に見えますが、この程度なら個人的には誤差の許容範囲内に収まっていると思えます。
u-tap_hdmi.png

他に気がついた点としては、重さの違いです。
U-TAP SDIよりもU-TAP HDMIの方が、30g位軽いです。
流石に、GV-HUVCほどは軽くはありませんが、U-TAP HDMIの軽さならビデオカメラの底面やノートPCの背中にガムテープでつけても落下する事は無い様に思えます。

そんな訳で、業務用途品質を期待するなら、GV-HUVCよりもU-TAPシリーズの方が良いという事でFAですね。
posted by dtmz at 02:12| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月27日

Roland XS-42H 使用レビュー

夏前から秋にかけて仕事が相当忙しかったので、このブログも放置状態でしたが、やっと落ち着いてきたのでまたぼちぼち更新していくと思います。

さて、久々のブログ記事は、10/19[金]にRolandから発売された HDMI4入力、HDMI2出力のマトリクススイッチャー「XS-42H」のレビューです。

【ローランド マトリックス スイッチャー XS-42H】
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xs1.png


マトリクススイッチャー自体は別に珍しくはないのですが、仕様規模が大きくて値段も高いものが多く、小型のものは殆どありませんでした。

よく中小規模講演などで、ステージ脇で講演者のノートPCとイベントロゴ等を表示するノートPCとの映像切り替えをする事が多々ありますが、これまではスケーラー内蔵の大きなスイッチャー(ex:V-800HD)を使ったり、小さいスイッチャー(ex:V-1HD)+スケーラーを挟んだりして、少なからずベストマッチな対応とは言えない空気が現場に漂っていました。

XS-42Hは、全入出力にスケーラーが実装されているので、外部にスケーラーを挟む必要はありませんし、何よりコンパクトで可搬性に優れています。
色々と間に接続しなくても済むという事で、設営時の接続ミスの可能性を減らす事にもなりますし設営時間も短縮出来ます。
もちろんコスト的なメリットも大いにあります。

とりあえず、色々なデバイスから色々な映像信号を入力してみましたが、特にスケーリング処理に失敗する事もなく、問題無く認識出来ています。

Input1:ノートPC映像(VPC-MX1で720p 50fpsに変換した信号)
Input2:ビデオカメラ映像(720p 59.94fps)
Input3:ネットブックPC映像(768p 59.78fps)
Input4:iPhone(1080p 59.94fps)


input check.png

他に、Roland VC-1-SC や CYP CP-259HNの出力信号も接続してみましたが問題はありませんでした。

入力側だけでなく、出力側でもきちんとEDIDリンクが持続されるので、入力側の信号が途絶えたり、ケーブルが抜けたりしても、その先に接続するキャプチャボードや録画デバイスなどで不具合が生じたりする事はありません。

最近は持ち込まれるノートPCの殆どでHDMI出力が出来ますが、一部にまだDSub出力しか出来ないものやMacBook等でDsub変換アダプタしか持ち込まれない場合があるので、登壇者が接続する所にDSubからHDMIに変換する変換ボックスも用意しておく必要がありますが、逆に言えばそれだけで十分な対応が出来るという事になります。

演台から映像卓までの距離が10m以下であれば、5mのHDMIケーブル2本+バスパワータイプのHDMIリピーターを挟めば殆どの場合、安定した伝送が行えると思います。

私がやるのであれば、5mを越えるとノイズが多い現場の場合に伝送が不安定になる可能性があるのでSDIに変換して接続しますが、それでも従来よりも接続デバイスを減らせる事には変わりありません。

それと、小規模スイッチャーだと、映像サイズを変更したりする事は出来ない事が多いですが、XS-42Hでは拡大縮小が可能です。

例えば、iPhoneなどのモバイルデバイスを接続すると、周囲に黒フチが表示されて、フルサイズで表示されない事がありますが、これを拡大してフルサイズ表示させる事が出来ます。

拡大縮小を広い範囲で縦横別々に設定する事も出来るので、もしアスペクト比がおかしくなる様な映像ソースが接続された場合でも対応出来ます。

個人的には、90度と270度の回転機能もあると縦画面仕様のアーケードゲームの取り込みに便利なのでありがたいのですが、それは出来ません。残念!

また、画質劣化も殆どなく、私には区別がつきません。
この変は流石のRolandクオリティーといった所でしょうか。

【元映像】
direct.png


【XS-42Hを通した後の映像】
XS through.png


実際にフォトショに読み込ませて色がどれ位変わっているか確かめてみましたが、Redが1違うだけでした。

HDMIにはダイナミックレンジが制限されたリミット信号(16〜235の220階調)と、フルレンジ信号(0〜255の256階調)が存在していますが、これもXS-42Hの入力設定を「オート」設定にする事によって自動的に認識してくれますので、レアケース以外では気にする必要は無いでしょう。

因みに、V-1HDのPREVIEW OUTみたいに入力信号を4分割表示する様な事は出来ませんが、XS-42HにはHDMI OUTが2つあって、それぞれ別個に映像ソースを選択出来るので、HDMI OUT 1をプロジェクターに接続して、HDMI OUT 2を映像卓での確認用モニタに接続すれば、HDMI OUT 1を切り替える前に映像信号がきちんと来ているかどうかを映像卓の確認用モニタ(HDMI OUT 2)で確認する事が出来ます。

あと、XS-42HにはRCAでのライン入力も実装されていますが、これはHDMI IN 4のエンベデットオーディオとの選択式排他仕様になっています。
まぁHDMI入力を4つとも使う事自体があまり無いと思うので、これはこれでいいかなと思います。

自社会議で切り替えるだけであれば、安価なパッシブスイッチャーでも良いと思いますが、外部来場者のある会議や、ホールでの講演や、自社会議でも記録収録をしなければならない様なケースでは、XS-42Hの使用価値は高いと思います。

内蔵ファンもありませんので、演台脇でも静かにオペレーションする事が出来ます。(本体温度は50度位まで上がるので、夏に屋外で使うのはやめておいた方がいいと思います)

あ、あとフロントパネルのLEDの明るさも変えられます。
照明を落としたイベント会場等でLEDが明るすぎると思われる場合には暗くする事も出来ます。

そんな訳で、「XS-42H」結構お勧めです。
演台脇でスイッチングする用途としては最強なんじゃないでしょうか。

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posted by dtmz at 06:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする