2019年06月10日

OBSでのNVENCは映像品質的にどうなのか?

配信ツールを使用して生放送を行う場合、グラフィックボードを使用しない(CPU内蔵のGPU機能を使う)とCPUの負荷が非常に大きくなって、ドロップフレームなどの問題が発生しやすくなる為、ネット生放送に使用するPCにはグラフィックボード(ノートPCなら別途グラフィックチップが内蔵されているもの)を使用するのが普通だと思います。

以前は安いグラボでも全然OKという感じだったので、GeForce GT 730を使っていましたが、最近は流石にローエンド過ぎて、複数のキャプチャデバイスを使った環境だと処理オーバーしてきた為、GeForce GT 1030に変更しました。

【ZOTAC GeForce GT 1030】
https://amzn.to/2DoUFy4

暫くは特にそれで問題無かったのですが、今はフルHD以上の解像度で中継したり、3つ以上のキャプチャデバイスを同時使用したりする事も増えてきた為、NVENC目当てにGeForce GTX 1050に換装しました。(GeForce GT 1030はNVENCには非対応

これくらいのスペックになってくると、2スロット仕様でファン音も結構大きいものがあるので、静音をウリ文句にしているMSI製のものにしました。実際、かなり静かです。

【MSI GeForce GTX 1050(Ti)】
https://amzn.to/2nj9dHD

まずは、GeForce GTX 1050を使っている状態でCPUエンコードにして1080pで配信した場合です。
gtx1050_x264(CPU).png

まぁやはりCPU負荷は相当高いです。
シーン切り替えや動画再生などを行ったりすると、一時的に負荷が高まる事もあるので、基本的に放送中のPU負荷は、50%以下には収めたい所です。

ところで、OBSは最近改良されたNVENCに対応したみたいで、NVENCを適用する際に、無印とnewというものが選べる様になっています。
GeForce GTX 1050の場合は、RTXなどの最近のハイエンドなGeForceに搭載されているNVENC(new)には、ネイティブ対応していない様なのですが、GeForce GTX 1050を使っていても選択可能なので一応試してみました。

以下がNVENC(new)の時の負荷です。
GPU負荷が少し高くなっている(45%位)事が分かります。
gtx1050_NVENC x264(new).png

次にNVENC(無印)の時の負荷です。
GPU負荷はそんなに高くなっていません。(25%位)
gtx1050_NVENC x264.png

さて、ではGeForce GTX 1050を使っている場合、NVENC(new)とNVENC(無印)とではどちらが映像が綺麗なのかを比較してみました。

まずは、CPUエンコード(x264)です。
cpu.png

次に、NVENC(new)です。
new.png

そして、NVENC(無印)です。
old.png

並べて見ないと分かりにくいかもしれませんが、この中で最も画質が悪いのはNVENC(new)です。
CPUエンコードとNVENC(無印)は誤差レベル程度の画質差しかありません。

まぁNVENC(new)が功を奏すのは、GeForce RTXなどのハイエンドのグラボなので、この結果は当たり前ではあります。

【GeForce RTX 2060】
https://amzn.to/2wLbeiK

GeForce RTXのグラボを使えば、もっと画質が良くなるのだとは思いますが、CPUエンコードと比較して、明らかな差が出るほど品質差が出るとは考えにくくGeForce GTX 1050にOBSでNVENC(無印)にしとくのが現状最もコスパが高い環境なのではないかと思えます。

ここまでの僅差になってくると、ハードウェアエンコーダーの画質云々よりも、ビットレートをちょっと上げ目にしたりする方が画質向上的には効果が大きいので、あまりハードウェアエンコーダーそのものの品質にこだわってもしょうがないのかなという気持ちになってきます。
そこにコストをかけるなら、スケーラーやカメラなどにコストをかけた方が画質は向上する様な気がします。

NVENC(無印)の方でも、チップの世代が新しくなるにつれて、少しづつ改良が加えられてきている様なので、初期の頃のNVENC品質と比較すると、大分良くなっています。

以前は、QSV,AVC,NVENCなどのハードウェアエンコーダーの品質はどれもどっこいで、CPUエンコード品質には全然届いてないという状況でしたが、ここに来て、NVENCが頭一つ抜けている品質になってきていると感じます。
多分、普通の人ならCPUエンコードとの差は分からないのではないかと。

そんな訳で、今の現行グラボのNVENCはお勧めですよ!というお話でした。
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2019年06月09日

HDMIスプリッター10機種 相性問題チェック

前回、「DeckLink Quad HDMI Recorderレビュー」オーディオエンベデット信号の相性問題が一部のHDMIスプリッタで発生するという事を少し書きましたが、今回はキャプチャデバイス3機種と、HDMIスプリッター10機種の総当たり戦相性問題チェックを行いました。

接続テストに使用したキャプチャデバイスは以下の3機種。

・U-TAP HDMI

https://amzn.to/2AujjLr
h10.png

・DeckLink Quad HDMI Recorder
https://amzn.to/2KHrzgJ
h20.png

・GV-HDREC
https://amzn.to/2oiT3uG
h30.png

対する対戦相手となるHDMIスプリッターは以下の10機種。

@LEICKE KanaaN(2出力)
(小さい金属筐体仕様のもの。もう売ってません)
h40.png

AeSYNiC(2出力)
https://amzn.to/2K5YEn2
h50.png

BSTAR JOINING(2出力)
https://amzn.to/2MDi98x
h60.png

CAstroAI(2出力)
https://amzn.to/2EZO78F
h70.png

DELEVIEW(2出力)
https://amzn.to/2IudhNw
h80.png

EELEVIEW(4出力)
https://amzn.to/2HnXFNq
h90.png

FTendak(4出力)
https://amzn.to/2TMK3BZ
ha0.png

GPortta(8出力)
https://amzn.to/2XIATnS
hb0.png

HGLAVCOM(imaru) IM-FSX911-2(2出力)
https://amzn.to/2Wududv
hc0.png

Iサンワラプライ 400-VGA003(2出力)
https://amzn.to/2MLhNfQ
hd0.png

結果は以下の通りとなりました。
ブログ上だと画像サイズが小さいので、クリックして画像だけにして見てみてください。

h99.png

問題があった箇所赤文字で記載しています。
お勧めデバイスは青セル、普通なものは黄セル、欠陥商品とすら思えるものは赤セルに番号の所をしてあります。

また、この中には接続するポートを入れ替えたり、同時に接続するデバイスを変えたりすると認識する場合もあったりしましたが、そういった少しでも怪しい挙動をしたものはNGのジャッジにしています。
OKと記載されているものは、接続するポートを変更したり、同時に接続するデバイスを変えたりしても、何ら問題なく伝送認識された事を表しています。

言うまでも無いですが、相性問題というのは個々の接続環境によっても変わってきますので、今回の検証結果が全ての環境下において同じ結果が出るというものではありません。

NGと記載されている組み合わせでも、使う人の環境によっては正常動作する場合もあると思います。
今回の検証結果は、あくまでブログ管理人の環境下でチェックした結果であると思ってください。

あと、HDCPが外せるものもありますが、これに関しても何を接続しても万能に外せるという訳ではありませんので、参考程度にとどめておいてください。そもそもがグレイゾーンな付随機能ですし。
HDCP関連に関しては自己責任にてお願いします。

さて、結論を言うと、HDCPが外せない機種では、GLAVCOM(imaru) IM-FSX911-2(2出力)が。
HDCPを外せる機種では、eSYNiC(2出力)がベストチョイスとなりました。

信号の安定性という意味で言うと、GLAVCOM IM-FSX911-2(2出力)の方が良いものですが、HDCPは外れません。
HDCPが外せてそこそこ良いものという意味だと、eSYNiC(2出力)が良いですね。

しかも、eSYNiC(2出力)は、かつて売られていたLEICKE KanaaN(2出力)よりもリンクアップにかかる速度が短くて素晴らしいです。それでいて最安とも言える値段ですから、中国メーカー品ながら優れた商品だと思えます。

とりあえず現場には、この2機種を持ち込んでおいて普段は、GLAVCOM IM-FSX911-2(2出力)を使って、HDCP関連の問題が発生した時だけ、eSYNiC(2出力)を使うというのが良い様な気がします。

そんな訳で、また次回!!
posted by dtmz at 17:34| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月08日

DeckLink Quad HDMI Recorder レビュー

今回はBlackmagic designDeckLink Quad HDMI Recorderをレビューします。

【Blackmagic Design DeckLink Quad HDMI Recorder】
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これは4つのHDMI入力を備えていて、あたかも4つのキャプチャカードであるかの様に動作するというシロモノです。

b10.png

このテのものは、以前にAJAの「KONA HDMI」というのを入手した事があったのですが、KONA HDMIはファンがやたらとうるさかったり、HDMI入力の認識動作が不安定だったりしていたので、DeckLinkに対してもちょっと警戒気味です。

「AJA KONA HDMIはOBSやXSplitで使えるか?」
http://dtmz.seesaa.net/article/463231301.html

早速、ボードをPCI-Expressに差し込んでOSを起動してドライバをインストール。とここまでは難なく進みました。

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b30.png


因みにこのカードは、8レーンGeneration 3で、スロット的には、PCI Express x8かx16じゃないと使えませんので買う前にこの仕様を満たすスロットに空きがあるかどうかをチェックしておく必要があります。
まぁ大抵のマザーボードのPCI Express x16なら大丈夫だとは思いますが。

心配していたファンの音も結構静かです。これならCPUファンや電源ファンの方がうるさいですね。
KONA HDMIは、1Uラックマウントサーバーの様にうるさかったからなぁ・・・(遠い目

そして、設定ツールのDesktop Video Setupを起動。
とは言え、このツールでやれる事はあんまり無いのですけども。
見た目にちゃんと4つのカードとして認識されているという事が分かって安堵するといった位でしょうか。

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b50.png

一応、Status Reportというのをhtmlで出力する事が出来る様になっています。

b60.png

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リンク速度は、8Gbpsのデバイスが4つなので合計32Gbpsです。
USB3.0が1ポートで5Gbpsですから、それと比較するとだいぶ早いです。

OBSからは専用のデバイスグループ「Blackmagic デバイス」として追加します。

b80.png

「デバイス」で4つあるうちから1つのHDMI入力を選択

b90.png

映像接続は「HDMI」のみ。音声接続は「Embedded」のみ。
モードはAutoか手動で多くの中から選べます。

ba0.png

「FCとLFEを入れ替える」は5.1chなどの設定(FCはFront Centerチャンネル。LFEはLow Frequency Effect(.1chの低域効果音チャンネル))
「バッファリングを使用する」はとりあえずデフォのオフ。
問題があればオンにすればいいのかなと。
他のキャプチャデバイスの時は「自動検出」がデフォですね。

bb0.png

まずはカメラ映像

bc0.png

これは問題無く認識されました。が、PC映像が認識されません。
ウチの場合、PC映像は間にスケーラーやスプリッタなど様々なデバイスを挟んでいるのですが、どうやら相性問題が発生する様です。この辺、流石Blackmagic Designと思いますね。悪い意味で裏切りませんw

調べた所、最終段に挟んでいるHDMIスプリッタが原因でした。
このHDMIスプリッタ(2出力タイプ)だとダメですね。
https://amzn.to/2IudhNw

他のHDMIスプリッタであれば、とりあえず映像は認識されました。

あと、多くのノートパソコンに採用されているであろう1366x768の解像度には対応していませんので、そういった信号に対応する為には、前段にスケーラーなどを挟んで対応解像度(1080p,720p)に変換する必要があります。

そんな訳で、4入力全てを使用した状態です。
(顔にぼかしを入れています)

bd1.png

(映像は外部スプリッタを入れて4つとも同じ信号を入力しています)
ドロップフレームもなく、問題なくキレイに取り込めてます。
コネクタを抜き差ししても他の入力の映像が寸断する事はありません。

因みにDreCapなどでは可能だった同じキャプチャデバイスを複数のシーンに追加する事は出来ません。
貼り付け(複製)はNGだけど、貼り付け(参照)ならOK

この為、以前はシーン別に違ったフィルタをかける事が出来なかったのですが、現在のOBSにはグループ機能があるので、これにフィルタをかける事でこの問題を回避出来ます。

そして、今回のハイライトとも言うべき、オーディオエンベデットを検証します。
コレが最も懸念している部分で、Blackmagic Design製品は、オーディオエンベデットの処理が非常にハナクソで、これまでに幾度も酷い目にあっているのです。

音声を認識させる方法は「Blackmagic デバイス」に付随する音声として認識させるか「音声入力キャプチャ」として認識させるかの2通りがあります。
どちらも音声自体は認識するのですが・・・

後者の音声入力キャプチャとして認識させる方法だと、映像とのズレが結構発生します。
0〜500ms位発生します。しかもOBSを起動させる度にズレ幅が違うので、オフセットをかけて補正する事も出来ません。

その為、音声入力キャプチャとして認識させる方法は使えませんので、消去法的に「Blackmagic デバイス」に付随する音声として認識させる事になります。これなら映像とのズレは発生しません。

私の場合、OBSでは蓋画像の時は音が出ない様にして、カメラの時は音が出る様にするといった設定にして配信を行っているのですが、蓋画像の時も音声を保険的にSound Forge(Pro10)で収録しておくという事もやっています。
ところが、Sound Forgeでの認識に問題がありました。

オーディオのプロパティで見ると4つのオーディオ入力として認識されているのですが、一旦OKで閉じて再度開くと何もデバイスが表示されないというバグが発生します。当然録音も出来ません。

be0.png

bf0.png

どうやら、Sound Forge側での音声入力デバイスを認識する時に、デバイス名が長すぎて支障をきたしている様です。

デバイスの表示順的には、上から順にHDMI4,2,3,1となっているみたいなので(根拠はOBSの「音声入力デバイス」として追加しようとした時に表示される順番)、一番下のステレオペアだけをオンにして、他はオフにして、OKをクリックすると、HDMI1入力1のエンベデットオーディオを認識出来る様になります。

bg0.png

もしくは、Windowsのサウンドのプロパティ使いたいHDMI入力を「既定のデバイスとして設定」しておいて、Sound Forgeでは「オーディオデバイスの種類」を「Microsoft サウンドマッパー」にしておくという方法でも認識させる事が出来ます。

bh0.png


HDMI1入力以外のエンベデットオーディオをSound Forgeに認識させたい場合は、後者の方法しかありません。多分。

あと、Sound Forgeだけを起動させても音声は認識されません。
OBSと同時起動して、OBSで「Blackmagic デバイス」としてソースに追加されている時だけ、Sound Forge側でも音声が認識されます。

どうやら映像キャプチャデバイスとして動作している時じゃないと、音声入力も動作しない様になっているみたいです。
その為、音声入力デバイス単体としては動作させる事は出来ません。

音声入力キャプチャとしてソースに追加した時のズレの件も、この映像キャプチャデバイスとして動作させてないと音声入力認識も行われないといった機能仕様の件もそうですが、USB3.0のUVC,UAC仕様のキャプチャデバイス(例:AJA U-TAPやアイオー GV-HUVC)では発生しない問題です。
この悪い意味でユニークな挙動は、Blackmagic designらしいと言えばらしいですね。

ところで、Blackmagic製品はどれも大概、HDMIのオーディオエンベデット信号の認識の許容性が狭く、苦労するのですが、今回も同様に苦労しました。
特に前段にHDMIスプリッタを接続した時に、音声を認識しない事が多いです。

今の所、KanaaN(もう売ってない金属筐体の2K2出力のやつ)、eSYNiC(2K2出力)、GLAVCOM IM-FSX911-2、サンワラプライ 400-VGA003なら問題なく音声も認識されましたが、STAR JOINING(4K2出力)、AstroAI(4K2出力)、ELEVIEW(4K2出力も4K4出力も)、Portta(2K8出力)だと認識されませんでした。

・DeckLink Quad HDMI Recorderがオーディオエンベデット信号として認識する信号を出力するHDMIスプリッター
【eSYNic(2K2出力)】
https://amzn.to/2K5YEn2

【GLAVCOM IM-FSX911-2】
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【サンワラプライ 400-VGA003】
https://amzn.to/2MLhNfQ

因みに上記の後者2機種については、国内メーカー品なのでHDCPは外れません。
その為、HDCPを外さないといけない状況が発生する可能性がある現場では使えませんね。
まぁあまりそういうシチュは多くはないと思いますが。
HDCPの件以外にも、相性問題対応用に、複数のHDMIスプリッタを現場に持ち込んでおく事は必然かもしれません。

そんなこんなで結構問題も多く苦労しましたが、回避方法も分かったので、何とか使えそうです。DeckLink Quad HDMI Recorder

相性問題や仕様制限は激しいですが、DreCapの様にメモリリークが発生してブルーバックが発生したりする事はありませんし、sknet MonsterX U3.0RやAVerMediaのUSB3.0キャプチャデバイスみたいに、USBコントローラーチップとの相性問題が発生して、伝送が寸断したり不安定になったりする事もありません。
そういった意味では、DeckLink Quad HDMI Recorderは動作が安定していると言えるのかもしれません。

そんな訳で、DeckLink Quad HDMI Recorderをお勧め出来るか出来ないかと言われたら、このテのデバイスの扱いにそこそこ詳しい人であれば、お勧め出来ます。
価格的にはキャプチャデバイスを4つ買うのと大差ありませんが、1枚にまとまっているので、現場で接続ケーブルなどがゴッチャになりにくいというメリットは大きいです。
また、ケーブルノイズが起因の伝送トラブルが発生しにくいというのもメリットですね。

もし、キャプチャデバイスを使うのは初めて!という様な人であったなら、ちょっとお勧めは出来ません。そんな感じでございます。

【Blackmagic Design DeckLink Quad HDMI Recorder】
https://amzn.to/2XyQJBz

そういった初心者的な方には、多少映像品質は劣りますが、GV-HUVCを複数接続するという手段をお勧めします。
私が試した範囲では1つのUSB3.0ポートにハブを繋いで3つまでは同時使用出来ています。
(4つ使いたいのであれば、4つめを別のUSB3.0ポートに接続すれば使えます

【I-O DATA GV-HUVC USB接続 HDMIキャプチャー】
https://amzn.to/2z5VO9G

ではまた次回!
posted by dtmz at 05:10| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする