2019年10月13日

HyperDeck Studio Mini 使用レビュー

Blackmagic DesignのHyperDeck Studio Miniを買ったのでレビューします。
※このブログ記事では、HyperDeck Studio Mini の事を、HDSMと記載します。

mini.png

【HyperDeck Studio Mini】
https://amzn.to/2J66qv1

電源スイッチはありません。私的にはうっかり押されてしまうトラブルを避けられるので無くていいです。

電源コードは付属していませんが、付属していても不便な長さだったり、温度や経年劣化で固くなったりするヘボいものだったりするよりはずっとマシなので、この方針については賛成です。

入力信号が無いと、HDMI OUTやSDI OUTには何も出力されません。(接続先の2Kモニタには非対応解像度である旨が表示されますので、何かが出ているのかもしれませんが)

SDカードスロットが2つ装備されていますが、2枚のSDカードに同じデータを同時に記録する事は出来ません。リレー記録のみです。
もしSDカードが記録中に壊れた場合は、諦めるしかありません。
ウチの場合、業務収録を行う場合は、他に別途違うレコーダーをもう1台用意して、デュアル収録をしています。

HDMI OUTやSDI OUTから出力される信号は、SDI INに入力されている映像信号がスルーアウトされるか、録画したデータを再生した時にその映像が出力されるだけです。本体内蔵のLCDモニタと同じものが表示される訳ではありません。また、HDMI OUTの出力解像度設定は出来ませんのでオート固定ですね。

電源を入れて15秒位の間は、HDMI OUTやSDI OUTからの出力信号が安定せず、何度か寸断する事があります。焦らず待ちましょう。

録画中、録画可能残時間を知るためのUIはありませんが、数秒ごとに本体内蔵LCDの右上に、記録中のスロット名と交互表示されます。
録画していない時(録画待機状態)に、録画可能残時間を知る方法はありません。

録画可能残時間は、9時間59分59秒までしか表示されません。それを越える場合は、9時間59分59秒の固定表示になります。

認識可能なSDXCカードの容量限界は設けられてはいない様です。とりあえず手元にあった512GBのSDXCカード(Lexar 633x)は正常認識しました。(ただ、このカードは書き込み速度が遅いので結局使えませんでしたが)

本体内蔵LCDはTN液晶系で、視野角に弱く、特に上下方向で斜めから見ると色が大分変わります。

・ボタン類は、そこそこの押し込み強さがあるので、ちょっと軽く手や紙があたった程度で、押されて録画が止まってしまったなどという事は無いと思います。

・電源を入れると割とすぐに本体内蔵のファンが回り出します。割と大きめな音がしますので、静かな現場でマイクから3m位しか離れていなくて、なおかつそのマイクが全指向性タイプだったりする時には、このファンの音がマイクに目立って集音されると思います。
「サーッ」という高域音ではなく「ウィ〜ン」という中高域が目立つファン音です。

ツールとマニュアルは付属のSDHCカード(4GB)に入っているのですが、このSDHCカードが何故かなかなかPCで認識しませんでした。差し込んで暫く放置してたら認識したので、温度が上がらないと認識しないヘボカードを使っているのかもしれません。
まぁ付属SDHCカードに入っているものを使うよりもWebから最新版をダウンロードした方がいいですね。マニュアルの記載ミスも修正されてますし。

・録画中に、SDIケーブルが抜けたり等で、何も映像信号が入力されなくなっても録画は続行されます。再びケーブルを接続して、映像信号が入力されれば、その映像が認識されて録画され続けます。
但し、録画中とは違う解像度の信号が入力されると録画は勝手に停止します。


録画が勝手に停止するタイミングは違う解像度の信号で正常にリンクした時なので、入力映像信号が多少乱れたりした程度では録画は止まりません。
また、EDIDのネゴシエーションが行われた時にも録画は停止しますが、固定解像度で出力されているデバイスであればEDIDネゴシエーションは発生しないので、録画は止まりません。

例えば、ノートPCからの出力信号を抜き差しした場合はEDIDネゴシエーション処理が発生して録画が止まりますが、固定解像度出力に設定してあるビデオカメラからの信号を抜き差ししても、EDIDネゴシエーション処理は発生しないので録画は止まりません。

そもそもHDSMはSDI入力しか出来ないので、ノートPCの信号を接続するなら間にSDIにする変換器を挟む必要がある訳で。
その変換器をスケーラー機能があるタイプ(Roland VC-1-SCやVideoPro VPC-HS3等)のものにしておけば繋ぎ変えても録画は止まりません。(実験済み)
スケーラー機能が無いタイプ(Roland VC-1-DL,VC-1-HSやVideoPro VPC-HS2STD等)は、出力を固定解像度に出来ないので繋ぎ変えるとEDIDネゴシエーションが発生して録画が停止するか、停止しなかったとしても録画データが駄目になってしまう可能性が結構高いです。また一旦そういった状態になると、見た目には正常動作している様に見えていても、電源Off/Onをしないと正常動作へ復旧しません。(これも実験済み)

尚、この問題はあくまで「録画中に」やった事が原因でおかしくなるというものなので、録画していない時は、ケーブルを抜き差しされても、入力解像度が変わっても、不安定な状態になってしまう事はありません。
逆に言うと、同じ解像度の抜き差しであってもEDIDネゴシエーションが発生した場合は、録画が停止したり、システムが不安定になって録画データが壊れたりする事があります。その為、HDSMの手前にスケーラーやスイッチャーを接続して固定解像度にするのは必須となります。

・録画中にSDカードを抜いたり、電源を落としても殆どの場合、録画中のデータは消えません。
エラーが発生してシステムが不安定になっている状態でなければ、まず大丈夫です。
エラー以外のそういった不慮のトラブルが発生する数秒前まで録画されているファイルがちゃんと記録されています。
それをメディアプレイヤーや動画編集ソフトにインポートすると問題なく認識されます。

試してみた所、ProResHQ(mov)では約5秒単位ごと、H.264 Low(mp4)では約2秒単位ごとに、追記録される仕組みな様です。
私的には、物理的に録画停止ボタンが押されない限り、入力解像度が変わって勝手に録画が停止しても、接続された別の解像度で録画を自動的に開始して欲しいです。
あと欲を言うと、録画停止ボタンを押した時に、本当に停止するかどうかを確認してくるUIになっていて欲しいです。

とは言え、映像信号が不安定になったり、映像ケーブルや電源が抜けたりしても、録画データは無事というのはとてもありがたいです。私が知っている限り、HDSM以外のレコーダーは、その様なトラブルが発生すると、データが消えたり壊れたりするので。
この収録データシステムの堅牢さだけでもHDSMを買って良かったと思えます。と言うか、この為だけに買ったと言っても過言では無いです。

ProRes(mov)以外にもH.264(mp4)でも録画出来ます。設定は3段階あって、High:70Mbps Medium:46Mbps Low:13Mbps です。
因みに、アイオーデータのGV-HDRECで最高画質で収録した時のビットレートは約12Mbps位で、AverMedia ER130では約20Mbpsですから、それと同等でOKという事であればMedium設定で収録すれば良さそうです。

尚、音声は24bit Liner PCMで記録されますが、H.264では記録形式の行儀が悪いらしく、メディアプレイヤー(ex:MPC-HCなど)では音声が正常に再生されません。(MPC-HCではザーッというノイズになります)TMPGEnc系ツールでは正常に認識再生出来ます。TMPGEnc MPEG Smart Renderer 5を通すとMPC-HCでも正常に音が再生されるファイルになります。

記録されるファイルは一定の時間(約1時間33分位)で分割記録されます。
分割記録されたH.264(mp4)ファイルは、TMPGEnc MPEG Smart Renderer 5(以降、TMSR5と記載)で結合出来ますが、ProRes(mov)ファイルはTMSR5が対応していないので結合出来ません。

また、Blackmagic Designが配布しているWindows版のDaVinci Resolve 16もProResに非対応なのでProResファイルは非エンコード結合出来ません。
DaVinci Resolve 16では、H.264(mp4)も非エンコード結合出来ません。
つまり、どのファイル形式であっても、WindowsではDaVinci Resolveを使って分割されたファイルを非エンコード結合する事は出来ません。(サポートに確認済み)


WindowsPCの人でProRes系を使いたい人は、非エンコード結合は諦めて、分割されたファイルのまま扱うしかないです。
ここで、Appleの事についてディスり始めると長くなるので、溜飲は抑える事にしときます。(笑)

ビデオカメラ等で分割記録された動画ファイルをTMSR5にインポートして結合すると、結合部分でドロップフレームや音飛びが発生する事がよくあるのですが、HDSMで記録されたデータ(mp4)は、結合してもそういった症状は発生しませんでした。おそらく、そういった症状が出ない様に、キリの良い所で分割されているのでしょう。

TMSR5では通常、インデックスファイルを読み込ませれば高速で問題無く綺麗に結合出来るのですが、HDSMにはそういったインデックスファイルを生成する機能はありません。
TMSR5を使ってインデックスファイルを参照しない方法で結合すると、インデックスファイルを参照して結合した場合と比べて、ちょっと処理速度が遅いので、あまり嬉しくは無いですね。
でもまぁ多少処理に時間がかかっても、ちゃんと結合出来るのでとりあえずはそれで満足する事にします。
と言うか、何で分割記録する仕様なんでしょうかね。折角、exFATなのに。

録画中に録画LED(赤)が高速点滅すると、書き込み速度が不足しているという事になるのですが、書き込み速度が十分に足りているSDXCカードを使っても、録画を開始して数十分経過すると高速点滅が発生する事が結構あります。
一旦この症状が発生すると、SDXCカードを抜くか、電源を落とさない限り、復帰出来なくなる事があります。

また、そういった手段をとると、SDXCカードの記録内容が完全に壊れて、全て読み込めなくなる場合もあります。
高速点滅が発生しても、録画時間のカウントアップが進むので、記録されているかの様に見えますが、大抵の場合は高速点滅が発生した時点までのデータしか記録されていません。
高速点滅が発生したら速攻諦めて録画を停止するか、停止出来なければ電源Off/Onしましょう。

尚、一旦高速点滅状態になったら、何らかのモード変更操作を行わないと、エラー状態がクリアされない事が結構あります。
例えば、H.264 Lowで高速点滅状態になったら、停止ボタン→再生ボタン→録音ボタン という感じに動作モード変更操作をしないと、エラー状態がクリアされず、再度録画ボタンを押しても最初から高速点滅状態になってしまいます。

因みに、マニュアルには低ビットレートだと遅いメモリカードでも記録出来る場合があると記載されていますが、低いビットレートだから負荷が低いとは限りません。むしろビットレートが低い=圧縮率が高い という事になる為、処理が重くなり、その影響で書き込みに使える処理時間が不足して、書き込み速度不足エラーとなる場合もあります。

なので、一番低いビットレート設定(H.264 Low)で駄目だったとしても、他のビットレートならエラーにならない場合もあります。色々と試してみると良いと思います。
ただ、あまりギリギリの書き込み速度のメモリカードを使っていると、入力映像の変化が大きい時に、やはり圧縮負荷が高まって、その結果書き込み速度不足エラーとなってしまいますので、やはり多少は書き込み速度に余裕のあるメモリカードを使う方が良いと思います。

因みに、Lexar 2000xやSONY SF-GのSDXCカードであれば、どのコーデック設定でも書き込み速度不足エラーは発生しませんでした。
とにかく、HDSMは書き込みのビットレートが低めだろうが高めだろうが、かなりハイエンドタイプのSDXCカードを使わないと、書き込み速度不足エラーがやたらと発生する様です。

私が試した限りでは、Lexar 633x,Lexar 1000x,Lexar 1667x は、どの様なデータレートであっても安定した書き込みは行なえませんでした。
あと、SanDiskの256GB(R:170MB/s W:90MB/s)でも安定した書き込みは行なえませんでした。Lexar 1667x程エラー頻度は高くないですが、長時間収録してると、やはり書き込み速度不足エラーが発生します。

その割には何故か、SanDisk microSDXC(+SDカードアダプタ) 200GB(R:100MB/s W:17MB/s)で試したら、Proxy LT以下の設定なら安定して記録する事が出来ました。

これらの事から、書き込み速度エラーの要因となるのは、単に書き込み速度だけの問題ではないという事が分かります。

あと、ProGrade Gold(R:250MB/s W:130MB/s)も試してみましたが、これも駄目でした。
とにかく全ての設定で安定した書き込みを行うには、書き込み速度が300MB/s近く出せるカードじゃないと駄目な様です。

なんか色々書いてて分かりにくい様な気がしてきたので、表にしてみました。

hdsmカードリスト3.png

一番下に記載してある東芝のカードは、Blackmagic Designにて安定した記録が出来る事を確認済みのカードです。

【256GB SDXCカード 東芝 EXCERIA PRO N502】
https://amzn.to/33SVkBz

容量が256GBあって、書き込み速度が、300MB/s近いSDXCカードって高いんですよね。
ProGrade Cobalt東芝のと同じ位高価ですし。

【ProGrade Digital SDXC UHS-II V90】
https://amzn.to/2MkrqA5

ブランドとしては微妙な香りがするJNHのカードですが、これを使って、ProRes系とH.264系で容量いっぱいまで記録テストを行った所、問題無く安定書き込み出来ました。

【SDXCカード 256GB JNH UHS-II V90】
https://amzn.to/2VLhUZU

値段も安価で、今の所何も問題は無いので私の様にコストを抑えたい人にはJNHのカードはお勧めですね。

私的にコーデックに関しては、高画質で収録したい時だけは、ProRes LTを使って、そうではない普段使いの時は、汎用性が高くて画質もそこそこ良いH.264 Highを使うと思います。
因みに、256GBのSDXCカードだと、ProRes LT(4:2:2)は2時間41分、H.264 High(4:2:0)だと7時間41分位収録出来ます。
最高画質で収録するなら、ProRes HQですが、256GBだと1時間15分しか収録出来ないので、自分の場合はあまり実用的ではないです。編集する際にコピーするのにも時間がかかりますし。

そんな訳で色々と書きましたが、もし「HDSMはお勧めか?」と問われたら、
「現状は他にマトモな収録器の選択肢が無いので、HDSMを買うしか無い」と回答します。

アイオーデータのGV-HDRECは、最高画質(1080p)で収録しているとよくフリーズするし音も悪いし。

それに、HDSM以外の民生レコーダーはデータ記録システムがヤワなものばかりで、何かあるとすぐに録画が勝手に止まったり、データが壊れたり消えたりするので。

Macの人はProResでハマる事は無いので、値段分の価値はあると思いますが、Windowsの人はProResでハマる可能性があるので、値段分の価値があるとはちょっと言い難いですね。
Avid DNxHD,DNxHRでも記録出来ますが、Avidから配布されているWindows版のコーデックをインストールしても、TMPGEnc Video Mastering Works 7では読み込めなかったので、ProResよりも更に使えなくてハマります。

私的には、ProResに非対応でH.264収録のみでもいいので、HDMI入力端子とオーディオライン入力端子があって、記録方式が堅牢で、値段がもっと安いもの(内蔵モニタ無しで3万円台位)が出てくれると嬉しいんですけども。

【追記】
タイムコードが入っている信号を収録中に、タイムコードが入っていない信号に差し替えると、解像度等が同じであれば録画は止まらずに続行されますが、録画を止めてSDXCカードに記録されているファイルを確認すると、差し替えた以降の映像データは記録されていません。(音は記録されています)
また、この状態を発生させると、電源をOff/Onしない限り、以降の映像記録は一切正常に行われません。本体内蔵LCDにはプレビューも録画状態も正常に行われている様に表示されるのですが、記録データは不正なものになりますので注意が必要です。
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2019年10月09日

Panasonic AG-CX350 レビュー

業務用4Kビデオカメラ「パナソニック AG-CX350」を買ったので、ファーストインプレッションレビューします。

【Panasonic AG-CX350】
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EGQrXSWUUAAZcjf.png

これまで使っていたビデオカメラ「Canon XF205」なので、それと比較する様な表現が随所にありますがご了承くださいませ。

・記録可能時間の表示限界
メモリカードへの記録可能時間が999分を越える場合は999minと表示されてしまいます。3桁しか表示されません。
つまり999分よりも長い時間記録できるメモリカードを入れた場合に、どれ位記録出来るかが分かりません。

例えば、毎日8時間撮影する仕事をメモリカードを交換せずに3日以上やる様な場合に事前に記録可能時間が分からないので困ってしまいます。(私の場合はそういうシチュが結構あるので)
例えば、Canon XF205なら1000分を越える場合でも正しく(4桁で)記録可能時間が表示されます。
こんな事で5年以上も昔のカメラに負けないで欲しいです。

画面レイアウト的に4桁にするのが難しいのであれば、ステータス表示画面の時だけでも4桁化して欲しいです。

・使用可能なSDXCカードの最大容量
仕様では128GBまで使用可能となっていますが、512GBのSDXCメモリカードでも使えました。(Lexar 633x)
1TBのSDXCカードは持っていないので試せていません。

尚、最高画質(データーレート:400Mbps)で撮影する場合、Lexar 633x(最大書込速度:45MB/s[=360Mbps])では「速度不足」と表示されました。
Lexar 1000x(最大書込速度:75MB/s)や1667x(最大書込速度:90MB/s)なら問題無く撮影出来ました。

※その後、Lexar 1667xだと問題が発生する事が分かりました。
詳細はこのブログの下の方に追記してあります。

・ファインダー表示デバイスの色味違いについて
LCD(液晶ファインダー)やVF(有機ELビューファインダー)の色味補正は出来ません。
彩度、コントラスト、バックライトの明暗は調整出来ます。

LCDは若干黄色っぽく(色温度が低い)、VFは青っぽい(色温度が高い)のですが、これらの色味違いを補正する事は出来ません。
マニュアルには「最終的な色味確認は外部接続したモニターで行ってください」と記載されているので、色味の違いがある事は自覚している様です。
まぁ私も普段は外部接続した小型モニターで色味を確認しているので、そんなに困る事は無いのですけども、多少不便な気はしますね。
因みに現物との色の違いは、VFの方が激しいです。

LCDはXF205の方が良かった(現物との色差が少なく、斜めから見ても色味が変わらない)です。

・LCD(液晶ファインダー)の視野角による色味違い
TN液晶の様に視野角度で著しく色味が変わったりする事はありませんが、IPS液晶ほど色味が維持されるというほどでもありません。
ちょっと斜めから見たりすると、ただでさえ若干黄色っぽい映像が、更に黄色っぽい映像になってしまうので、きちんと正面から見る必要があります。

・LCD(液晶ファインダー)の明るさダウンについて
XF205では録画や撮影操作をしていない時に一定の時間が経過すると、強制的にファインダーの明るさが暗くなる様になっていて、この機能をオフにする事は出来ない仕様でしたが、AG-CX350ではそういった仕様はありません。
ACアダプタ給電時でもバッテリー給電時でも全く同じ明るさで表示されます。

・LANCリモートコントローラーの動作
リモートコントローラーはLANC対応仕様となっていますが、Libec ZC-3DVは正常動作しませんでした。(寸断動作になります)
Libec ZFC-Lなら問題なく正常動作しました。

【リーベック ZFC-L ズームリモコン】
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LANC対応と言っていても、AG-CX350カタログに記載されているものしか動作保証はしない様なので、それら以外のLANCデバイスの動作は出来ないと思った方が良さそうです。

・3連リングの回転方向について
逆回転操作には設定出来ません。
私の場合、XF205ではアイリスリングを逆回転に設定して使っていたのでそれが出来ないのは困ります。
ファームウェア更新で対応して欲しいです。

・音声リミッターについて
音声リミッターをオンにすると、レンジ幅ギリギリ付近までリミッターがかからないのではなく、大体最大振幅から-2.5dB手前あたりでリミッティングがかかります。リミッティングによるプチノイズを避ける為に、意図的にこれくらいの余裕を確保して、レシオ 1:4位で動作しているのかもしれません。
まぁ-2.5dBなら最大振幅幅の78%位に相当するので私的には許容出来る範囲です。
因みにファインダーに表示されるレベルメーターはちゃんとポストマスターフェーダー(最終出力)のものです。
マニュアルではアッテネータの事をヘッドルームという言葉で表現しているので、ちょっと戸惑いました。

・明るさとノイズリダクションについて
4Kカメラはよく暗いと言われます。確かに2Kカメラと比較すると暗いです。
使用実感としては、2Kカメラと雑に比較すると、ゲイン値的に6dB〜8dB位の明暗差がある様な気がします。
ゲインを上げればノイズも増える事になる訳ですが、AG-CX350に実装されているデジタルノイズリダクションを適用すれば、大分気にならないレベルになります。
AG-CX350のデジタルノイズリダクションには1と2の2つがあり、2の方が強くノイズが抑制されますが、大分強めにかかるのでノッペリとした映像になります。
通常は、1にしておいて、ゲインをかなり上げないといけない状況の時だけ2にすれば良いと思います。
因みに、デジタルノイズリダクションの設定は、ユーザーボタンに割り当てる事は出来ません。残念。

・マクロ撮影
マクロ撮影をオンにしても遠景フォーカスができなくなる訳ではないので、ライブ撮影で頻繁にズームするとかでオートフォーカス速度にシビアな状況でなければ、私的にマクロモードはオンで常用ですね。

・ズーム操作の反応が遅い
ズームリングでの操作反応はそんなに遅くない(体感で150ms位)のですが、ズームレバーやREMOTEデバイスでの操作の時は、何故か体感で350ms位遅いです。
XF205の時はREMOTEデバイス操作の時は体感遅延は200ms位だったので何とか許容範囲内だったのですが、350msの遅延があると「アレ!?反応してないのかな??」と思う遅さです。
じゃぁズームリングでやればいいジャン!という事で、ズームリングで少しづつズームさせようとすると「ちょっと動いて暫く止まって」を小刻みに繰り返す落ち着きの無いズームになります。
ズームがモーター制御のカメラは、どれもこういった挙動になるのですが、AG-CX350は最低ズーム速度が他のカメラよりも早い為、結構気になります。最低ズーム速度をもっと遅くするか、加減速時間を長めにするか等して欲しいです。

さて、文句っぽい事ばかり書いているのもアレなので、嬉しい事も書いておきます(笑)。

・オートホワイトバランスのロック機能は便利
地味に嬉しい。何度もワンプッシュしなくて済みます。

・HDMIコネクタ部が本体内に埋まる様になっているのが嬉しい。
HDMIコネクタって結構大きいから本体から飛び出して邪魔なんですよね。

・HDMIコネクタ部の蓋が外せる様になっているのが嬉しい。
私の場合、HDMI出力を使う事が殆どなので、外せるのは嬉しいです。
マニュアルには外せるとは書いてありませんが、先の細いペンチで根本を上下から押さえる様に掴んで斜めに引っ張る様にすると外せます。

・HDMIとSDIから同時出力出来る。
私の場合、三脚にくくりつけたHDMI接続小型モニターで細かく映像を確認して、SDIで生放送側に映像を送るという使い方が基本なのでこれは必須です。
例えば、SONY HXR-NX5Rは同時出力が出来ないので困ります。

・タッチフォーカス機能は嬉しい。
意図的にメインとなる被写体を中央に置かない撮影をする事は良くあるのでこれは割と使いそうです。
タッチパネルである事の最大のメリットですね。

・ホットシューが普通なのが嬉しい。
SONY機のMIは(以下略

・オートホワイトバランスの赤と青のシフト量が、スイッチA,Bで別々に設定出来るのが嬉しい。
現場の照明色を多少残したホワイトバランスにしたい時に、残し具合をAB切り替えスイッチで簡単に選べる様にする事が出来るので便利です。

・LCDが4:3サイズに近く、空いている上下の黒帯部分に撮影情報が表示される事によって、映像部分にあまり被らないのが良い。
最近のビデオカメラは撮影情報がかなり多く表示されるので、映像に被ってる部分が少なくなるのはありがたいです。

・iZOOMでHDで32倍までズーム出来るのは嬉しい。
光学ズームとiZOOMが切り替わる瞬間、一瞬止まりますが、私の場合はそんなにしょっちゅう激しいズームをする訳でもないので問題無いです。

・多くの記録レートが選べるのは嬉しい。
XF205は選択肢が少なかったのでこれはありがたいです。
ぶっちゃけ普段のフルHD撮影なら35Mbpsも要らないんすよ。24〜28Mbpsもあれば十分。

・軽いのが嬉しい。
この大きさでXF205とほぼ同じ重さ軽いとショボいと思う妙なカメラマンも居るらしいけど、重いカメラで首と腕を痛めた事がある私としては、軽い事にはメリットしか感じないです。

・LCDがサイド蓋部じゃないのが嬉しい。
XF205はサイド蓋部なので近すぎて見にくかった。

・音声入力の切り替えスイッチが一般的な仕様なのが嬉しい。
最近のSONYのビデオカメラはINPUT2をINPUT1にする事がスイッチ操作では出来なくなっているのでメッチャ面倒くさい)

・手ぶれ補正機能
ほぼアングルを固定して撮影する時用に手ぶれ補正に「固定」という設定があるのですが、これが割と秀逸で。
例えば三脚にカメラを設置して、近くを人が通った時に床から伝わって発生する映像の揺れがかなり軽減されます。
また、遠距離からのズーム撮影時に焦ってパンハンドルを掴んだり離したりした時の素人くさい揺れも軽減されます。
動きの少ない講演会の撮影なんかは殆どこの設定でいけるんじゃないでしょうか。

あと、三脚にカメラを設置していると、手ぶれ補正をオンにしていても、三脚に設置されている事を勝手に認識して、こっそり手ぶれ補正をオフにして、ある程度揺れないと手ぶれ補正がオンに戻らないという仕様のカメラもありますが、AG-CX350はそんな事はありません。常に設定した手ぶれ補正モードでちゃんと動作します。
もちろん、「固定」と言っても手ぶれ補正ですからパンチルト操作時にちょっと遅れて動く感じにはなりますが、私的には全然許容範囲です。
と言うか、床が揺れない現場の時は、手ぶれ補正をオフにすればいいだけですしおすし。
あと、こんにゃく現象は、どの手ぶれ補正モードにしてても感じませんでした。

ところで、4Kカメラなのに4Kの事については全然書いていませんが、実際の所当面の間は2Kでの使用がメインになると思います。
私の場合はネット中継での使用が主なので、それだとフルHDで現状は十分なので。

でも折角4Kカメラを買ったのだから、4Kでのネット中継をした時の画質も確認したいという事で、YouTube Liveで4K放送を試してみました。

使っているキャプチャカードは、DeckLink Quad HDMI Recorderです。

【DeckLink Quad HDMI Recorder】
https://amzn.to/2KHrzgJ

その辺に置いてあった雑誌記事の小さな文字部分を近めに撮影してトリミングしました。
等倍だと分かりにくいと思いますので、400%に拡大してみます。

2Kの場合(400%拡大)
2k.png

4Kの場合(400%拡大)
4k.png

確かに違いはありますが、等倍で見てると殆ど違いは分からないです。
パソコンのモニタやスマホやタブレットで見てたら普通の人にはまず違いは分からない気がします。

50インチサイズの4Kテレビとかで見れば違いは分かると思いますが、普段からそういう環境でネット動画や中継を見ている人が現状どれ位の割合を占めているのかというと、まだまだ少ないと思います。

あと、CPUエンコードでは処理が重すぎてまず無理ですね。
私はNVENCでエンコードしましたが、GPU負荷は70%を越えました。
PCケース内の温度も大分上がりますので、空調がしっかりと確保されているPCでやらないと安定動作は望めない気がします。

そんな訳で、Panasonic AG-CX350は結構お勧めですよ!という事で。
多分、SONYのPXW-Z190よりは満足出来るかと(笑)。
引き続き使ってみて、また新たに気がついた部分があれば、このブログに書きますね。

【2019.10.12追記】
その後、Lexar 1667xだと問題が発生する事が分かりました。
どの様なデータレート設定であっても(AVCHDでもMOVでも)数分〜数十分書き込んでいると、途中でエラーが発生します。
手元にあるLexar 1667xのカードを5枚試しましたが全てでエラーが発生しましたので、カードの個体不良では無いと思います。
2枚使ってサイマル記録をしていると高い頻度でエラーが発生しますが1枚だけでも長時間記録しているとエラーが発生します。

サイマル記録の場合、片方に書き込みエラーが発生しても、もう片方の書き込みが止まらない様になっていますが、このエラーはそういったエラーではないらしく、数分フリーズ(録画ボタンを押して録画を停止しようとしても反応しない)した後に、エラーが表示されて両方とも書き込みが停止するという最悪の挙動になります。

尚、不思議な事に、Lexar 1667xよりも遅いLexar 633xやLexar 1000xではエラーは発生しません。
また、Lexar 2000xでもエラーは発生しません。
このエラーは、Lexar 1667xだけ発生します。

256GB,512GB,1TBのカード容量があるSDXCカードを使いたい場合は、SandiskのExtreme Pro(R:170MB/s W:90MB/s UHS-I版)を使うのが無難ですね。
(このSandiskの256GBのカードなら正常動作する事を確認済みです)
posted by dtmz at 02:03| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする