2019年10月09日

Panasonic AG-CX350 レビュー

業務用4Kビデオカメラ「パナソニック AG-CX350」を買ったので、ファーストインプレッションレビューします。

【Panasonic AG-CX350】
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これまで使っていたビデオカメラ「Canon XF205」なので、それと比較する様な表現が随所にありますがご了承くださいませ。

・記録可能時間の表示限界
メモリカードへの記録可能時間が999分を越える場合は999minと表示されてしまいます。3桁しか表示されません。
つまり999分よりも長い時間記録できるメモリカードを入れた場合に、どれ位記録出来るかが分かりません。

例えば、毎日8時間撮影する仕事をメモリカードを交換せずに3日以上やる様な場合に事前に記録可能時間が分からないので困ってしまいます。(私の場合はそういうシチュが結構あるので)
例えば、Canon XF205なら1000分を越える場合でも正しく(4桁で)記録可能時間が表示されます。
こんな事で5年以上も昔のカメラに負けないで欲しいです。

画面レイアウト的に4桁にするのが難しいのであれば、ステータス表示画面の時だけでも4桁化して欲しいです。

・使用可能なSDXCカードの最大容量
仕様では128GBまで使用可能となっていますが、512GBのSDXCメモリカードでも使えました。(Lexar 633x)
1TBのSDXCカードは持っていないので試せていません。

尚、最高画質(データーレート:400Mbps)で撮影する場合、Lexar 633x(最大書込速度:45MB/s[=360Mbps])では「速度不足」と表示されました。
Lexar 1000x(最大書込速度:75MB/s)や1667x(最大書込速度:90MB/s)なら問題無く撮影出来ました。

※その後、Lexar 1667xだと問題が発生する事が分かりました。
詳細はこのブログの下の方に追記してあります。

・ファインダー表示デバイスの色味違いについて
LCD(液晶ファインダー)やVF(有機ELビューファインダー)の色味補正は出来ません。
彩度、コントラスト、バックライトの明暗は調整出来ます。

LCDは若干黄色っぽく(色温度が低い)、VFは青っぽい(色温度が高い)のですが、これらの色味違いを補正する事は出来ません。
マニュアルには「最終的な色味確認は外部接続したモニターで行ってください」と記載されているので、色味の違いがある事は自覚している様です。
まぁ私も普段は外部接続した小型モニターで色味を確認しているので、そんなに困る事は無いのですけども、多少不便な気はしますね。
因みに現物との色の違いは、VFの方が激しいです。

LCDはXF205の方が良かった(現物との色差が少なく、斜めから見ても色味が変わらない)です。

・LCD(液晶ファインダー)の視野角による色味違い
TN液晶の様に視野角度で著しく色味が変わったりする事はありませんが、IPS液晶ほど色味が維持されるというほどでもありません。
ちょっと斜めから見たりすると、ただでさえ若干黄色っぽい映像が、更に黄色っぽい映像になってしまうので、きちんと正面から見る必要があります。

・LCD(液晶ファインダー)の明るさダウンについて
XF205では録画や撮影操作をしていない時に一定の時間が経過すると、強制的にファインダーの明るさが暗くなる様になっていて、この機能をオフにする事は出来ない仕様でしたが、AG-CX350ではそういった仕様はありません。
ACアダプタ給電時でもバッテリー給電時でも全く同じ明るさで表示されます。

・LANCリモートコントローラーの動作
リモートコントローラーはLANC対応仕様となっていますが、Libec ZC-3DVは正常動作しませんでした。(寸断動作になります)
Libec ZFC-Lなら問題なく正常動作しました。

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LANC対応と言っていても、AG-CX350カタログに記載されているものしか動作保証はしない様なので、それら以外のLANCデバイスの動作は出来ないと思った方が良さそうです。

・3連リングの回転方向について
逆回転操作には設定出来ません。
私の場合、XF205ではアイリスリングを逆回転に設定して使っていたのでそれが出来ないのは困ります。
ファームウェア更新で対応して欲しいです。

・音声リミッターについて
音声リミッターをオンにすると、レンジ幅ギリギリ付近までリミッターがかからないのではなく、大体最大振幅から-2.5dB手前あたりでリミッティングがかかります。リミッティングによるプチノイズを避ける為に、意図的にこれくらいの余裕を確保して、レシオ 1:4位で動作しているのかもしれません。
まぁ-2.5dBなら最大振幅幅の78%位に相当するので私的には許容出来る範囲です。
因みにファインダーに表示されるレベルメーターはちゃんとポストマスターフェーダー(最終出力)のものです。
マニュアルではアッテネータの事をヘッドルームという言葉で表現しているので、ちょっと戸惑いました。

・明るさとノイズリダクションについて
4Kカメラはよく暗いと言われます。確かに2Kカメラと比較すると暗いです。
使用実感としては、2Kカメラと雑に比較すると、ゲイン値的に6dB〜8dB位の明暗差がある様な気がします。
ゲインを上げればノイズも増える事になる訳ですが、AG-CX350に実装されているデジタルノイズリダクションを適用すれば、大分気にならないレベルになります。
AG-CX350のデジタルノイズリダクションには1と2の2つがあり、2の方が強くノイズが抑制されますが、大分強めにかかるのでノッペリとした映像になります。
通常は、1にしておいて、ゲインをかなり上げないといけない状況の時だけ2にすれば良いと思います。
因みに、デジタルノイズリダクションの設定は、ユーザーボタンに割り当てる事は出来ません。残念。

・マクロ撮影
マクロ撮影をオンにしても遠景フォーカスができなくなる訳ではないので、ライブ撮影で頻繁にズームするとかでオートフォーカス速度にシビアな状況でなければ、私的にマクロモードはオンで常用ですね。

・ズーム操作の反応が遅い
ズームリングでの操作反応はそんなに遅くない(体感で150ms位)のですが、ズームレバーやREMOTEデバイスでの操作の時は、何故か体感で350ms位遅いです。
XF205の時はREMOTEデバイス操作の時は体感遅延は200ms位だったので何とか許容範囲内だったのですが、350msの遅延があると「アレ!?反応してないのかな??」と思う遅さです。
じゃぁズームリングでやればいいジャン!という事で、ズームリングで少しづつズームさせようとすると「ちょっと動いて暫く止まって」を小刻みに繰り返す落ち着きの無いズームになります。
ズームがモーター制御のカメラは、どれもこういった挙動になるのですが、AG-CX350は最低ズーム速度が他のカメラよりも早い為、結構気になります。最低ズーム速度をもっと遅くするか、加減速時間を長めにするか等して欲しいです。

さて、文句っぽい事ばかり書いているのもアレなので、嬉しい事も書いておきます(笑)。

・オートホワイトバランスのロック機能は便利
地味に嬉しい。何度もワンプッシュしなくて済みます。

・HDMIコネクタ部が本体内に埋まる様になっているのが嬉しい。
HDMIコネクタって結構大きいから本体から飛び出して邪魔なんですよね。

・HDMIコネクタ部の蓋が外せる様になっているのが嬉しい。
私の場合、HDMI出力を使う事が殆どなので、外せるのは嬉しいです。
マニュアルには外せるとは書いてありませんが、先の細いペンチで根本を上下から押さえる様に掴んで斜めに引っ張る様にすると外せます。

・HDMIとSDIから同時出力出来る。
私の場合、三脚にくくりつけたHDMI接続小型モニターで細かく映像を確認して、SDIで生放送側に映像を送るという使い方が基本なのでこれは必須です。
例えば、SONY HXR-NX5Rは同時出力が出来ないので困ります。

・タッチフォーカス機能は嬉しい。
意図的にメインとなる被写体を中央に置かない撮影をする事は良くあるのでこれは割と使いそうです。
タッチパネルである事の最大のメリットですね。

・ホットシューが普通なのが嬉しい。
SONY機のMIは(以下略

・オートホワイトバランスの赤と青のシフト量が、スイッチA,Bで別々に設定出来るのが嬉しい。
現場の照明色を多少残したホワイトバランスにしたい時に、残し具合をAB切り替えスイッチで簡単に選べる様にする事が出来るので便利です。

・LCDが4:3サイズに近く、空いている上下の黒帯部分に撮影情報が表示される事によって、映像部分にあまり被らないのが良い。
最近のビデオカメラは撮影情報がかなり多く表示されるので、映像に被ってる部分が少なくなるのはありがたいです。

・iZOOMでHDで32倍までズーム出来るのは嬉しい。
光学ズームとiZOOMが切り替わる瞬間、一瞬止まりますが、私の場合はそんなにしょっちゅう激しいズームをする訳でもないので問題無いです。

・多くの記録レートが選べるのは嬉しい。
XF205は選択肢が少なかったのでこれはありがたいです。
ぶっちゃけ普段のフルHD撮影なら35Mbpsも要らないんすよ。24〜28Mbpsもあれば十分。

・軽いのが嬉しい。
この大きさでXF205とほぼ同じ重さ軽いとショボいと思う妙なカメラマンも居るらしいけど、重いカメラで首と腕を痛めた事がある私としては、軽い事にはメリットしか感じないです。

・LCDがサイド蓋部じゃないのが嬉しい。
XF205はサイド蓋部なので近すぎて見にくかった。

・音声入力の切り替えスイッチが一般的な仕様なのが嬉しい。
最近のSONYのビデオカメラはINPUT2をINPUT1にする事がスイッチ操作では出来なくなっているのでメッチャ面倒くさい)

・手ぶれ補正機能
ほぼアングルを固定して撮影する時用に手ぶれ補正に「固定」という設定があるのですが、これが割と秀逸で。
例えば三脚にカメラを設置して、近くを人が通った時に床から伝わって発生する映像の揺れがかなり軽減されます。
また、遠距離からのズーム撮影時に焦ってパンハンドルを掴んだり離したりした時の素人くさい揺れも軽減されます。
動きの少ない講演会の撮影なんかは殆どこの設定でいけるんじゃないでしょうか。

あと、三脚にカメラを設置していると、手ぶれ補正をオンにしていても、三脚に設置されている事を勝手に認識して、こっそり手ぶれ補正をオフにして、ある程度揺れないと手ぶれ補正がオンに戻らないという仕様のカメラもありますが、AG-CX350はそんな事はありません。常に設定した手ぶれ補正モードでちゃんと動作します。
もちろん、「固定」と言っても手ぶれ補正ですからパンチルト操作時にちょっと遅れて動く感じにはなりますが、私的には全然許容範囲です。
と言うか、床が揺れない現場の時は、手ぶれ補正をオフにすればいいだけですしおすし。
あと、こんにゃく現象は、どの手ぶれ補正モードにしてても感じませんでした。

ところで、4Kカメラなのに4Kの事については全然書いていませんが、実際の所当面の間は2Kでの使用がメインになると思います。
私の場合はネット中継での使用が主なので、それだとフルHDで現状は十分なので。

でも折角4Kカメラを買ったのだから、4Kでのネット中継をした時の画質も確認したいという事で、YouTube Liveで4K放送を試してみました。

使っているキャプチャカードは、DeckLink Quad HDMI Recorderです。

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その辺に置いてあった雑誌記事の小さな文字部分を近めに撮影してトリミングしました。
等倍だと分かりにくいと思いますので、400%に拡大してみます。

2Kの場合(400%拡大)
2k.png

4Kの場合(400%拡大)
4k.png

確かに違いはありますが、等倍で見てると殆ど違いは分からないです。
パソコンのモニタやスマホやタブレットで見てたら普通の人にはまず違いは分からない気がします。

50インチサイズの4Kテレビとかで見れば違いは分かると思いますが、普段からそういう環境でネット動画や中継を見ている人が現状どれ位の割合を占めているのかというと、まだまだ少ないと思います。

あと、CPUエンコードでは処理が重すぎてまず無理ですね。
私はNVENCでエンコードしましたが、GPU負荷は70%を越えました。
PCケース内の温度も大分上がりますので、空調がしっかりと確保されているPCでやらないと安定動作は望めない気がします。

そんな訳で、Panasonic AG-CX350は結構お勧めですよ!という事で。
多分、SONYのPXW-Z190よりは満足出来るかと(笑)。
引き続き使ってみて、また新たに気がついた部分があれば、このブログに書きますね。

【2019.10.12追記】
その後、Lexar 1667xだと問題が発生する事が分かりました。
どの様なデータレート設定であっても(AVCHDでもMOVでも)数分〜数十分書き込んでいると、途中でエラーが発生します。
手元にあるLexar 1667xのカードを5枚試しましたが全てでエラーが発生しましたので、カードの個体不良では無いと思います。
2枚使ってサイマル記録をしていると高い頻度でエラーが発生しますが1枚だけでも長時間記録しているとエラーが発生します。

サイマル記録の場合、片方に書き込みエラーが発生しても、もう片方の書き込みが止まらない様になっていますが、このエラーはそういったエラーではないらしく、数分フリーズ(録画ボタンを押して録画を停止しようとしても反応しない)した後に、エラーが表示されて両方とも書き込みが停止するという最悪の挙動になります。

尚、不思議な事に、Lexar 1667xよりも遅いLexar 633xやLexar 1000xではエラーは発生しません。
また、Lexar 2000xでもエラーは発生しません。
このエラーは、Lexar 1667xだけ発生します。

256GB,512GB,1TBのカード容量があるSDXCカードを使いたい場合は、SandiskのExtreme Pro(R:170MB/s W:90MB/s UHS-I版)を使うのが無難ですね。
(このSandiskの256GBのカードなら正常動作する事を確認済みです)
posted by dtmz at 02:03| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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